訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて実質指数化し、訪日外国人の国内での旅行消費の動向を指標化した「訪日外国人消費指数(TCI)」のうち、宿泊料金指数の平成29年第2四半期の結果を紹介します。(中小企業庁ホームページより)

訪日外国人の宿泊料金は2四半期連続で前期比上昇

訪日外国人の宿泊料金指数は、平成28年第4四半期に前期比マイナス2.6%と大きめの低下でしたが、29年第1四半期は同8.8%の上昇と、前期の低下幅を上回る上昇をみせました。第2四半期も同4.1%と2期連続の上昇となり、指数値も271.0と、最も高い水準となりました。

今年第1四半期の宿泊業は、訪日客需要の増によって、低下幅が小さくなった

続いて、国内の宿泊業の前期比変動に対する宿泊料金指数の寄与(影響度)はどのようになっているかみてみましょう。

訪日外国人の宿泊料金指数は、平成28年後半に国内宿泊業の変動に対しマイナス寄与とはなりましたが、それ以外はおおむね、プラスに寄与しています。その中でも、29年第1四半期は訪日外国人の宿泊料金指数のプラス寄与が1.37%ポイントと大きかったため、国内宿泊業指数の低下を小幅に抑えることができました。国内の宿泊業にとって訪日外国人による宿泊需要は、今年に入って、とても重要な要因になっているようです。

やはりアジア客の上昇寄与が大きいが、第2四半期は欧米客の寄与も大きくなっている

では、「アジア」「欧米」といった地域別の宿泊料金指数はどのようになっているかみてみましょう。

平成25年第3四半期までは、アジア、欧米ともにほぼ同じ水準で推移していましたが、26年に入るとアジア指数が大幅な上昇をみせ、29年第2四半期には指数値は288.4となり、欧米の指数値188.3に比べると、非常に伸びが大きいことが分かります。

28年後半に前期比低下へと転じた宿泊料金指数ですが、29年に入ると勢いを取り戻し、アジア、欧米とも29年前半はプラス寄与となりました。今年第1四半期の宿泊料金指数の前期比上昇に対する欧米指数の寄与は、アジア指数に比べると小さいものとなっています。ただ、欧米指数も、28年第4四半期から3期連続のプラス寄与であり、第2四半期には、アジア指数に寄与と遜色ないレベルの寄与となっています。

ミニ経済分析「訪日外国人消費指数の動きと アジア・欧米からの訪日客の消費行動比較」のページ
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikeizai/kako/20171024minikeiza

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