厚生労働省は、このたび、全国の労働局や労働基準監督署が、平成28年に技能実習生の実習実施機関に対して行った監督指導、送検等の状況について取りまとめましたので、公表します。(別紙参照)
外国人技能実習制度は、外国人が企業などでの実習を通して技術を習得することにより、母国の経済発展を担う人材となるよう育成することを目的としています。しかし、実習実施機関では、労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの労働基準関係法令に違反する事例が依然として存在しています。
こうした中、厚生労働省は、実習実施機関に対し、監督指導などを実施することで、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に取り組んでいます。
平成28年の監督指導・送検の概要
■ 労働基準関係法令違反が認められた実習実施機関は、監督指導を実施した 5,672事業場(実習実施機関)のうち 4,004事業場(70.6%)。
■ 主な違反事項は、(1)労働時間(23.8%)、(2)使用する機械に対して講ずべき措置などの安全基準(19.3%)、(3)割増賃金の支払(13.6%)の順に多かった。
■ 重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検したのは 40件。
厚生労働省は、実習実施機関に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努めるとともに、労働基準関係法令違反の疑いがある実習実施機関に対しては監督指導を実施するなど、引き続き、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に重点的に取り組んでいきます。
なお、度重なる指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検を行うなど厳正に対応していきます。