平成29年4月21日

中小企業庁では、「平成28年度中小企業の動向」及び「平成29年度中小企業施策」(中小企業白書)、並びに「平成28年度小規模企業の動向」及び「平成29年度小規模企業施策」(小規模企業白書)をとりまとめ、本日4月21日閣議決定されましたので公表します。

2017年版「中小企業白書」のポイント

第1部では、最近の中小企業の動向について、中小企業の景況が緩やかな改善傾向にあるものの、改善の度合いは企業規模や組織形態などによって異なることに加えて、設備投資や売上高の伸び悩みといった課題に直面していることを明らかにした上で、中小企業のライフサイクルと生産性及び中小企業の雇用環境と人手不足の現状について分析を行っています。

第2部では、中小企業のライフサイクルに着目し、起業・創業、事業の承継及び新事業展開による成長について分析を行っています。起業・創業については、起業前の起業希望者・起業準備者は性別や年齢等によって様々な課題を抱えており、また起業後についても、円滑に成長を遂げるためには各成長段階において適切な資金調達や人材確保等に取り組むことが重要であることを示しています。事業の承継については、経営者が事業承継の準備に着手する上では、周囲からの働きかけが重要であること、事業承継や事業の譲渡・売却・統合(M&A)の検討に当たっては課題が多く、対策・準備が進んでいないため、専門家と連携しながら多様な課題に対応できる支援体制の構築が必要であること、廃業の際、自社の事業や資産を他社に譲りたいと考えている者もいるため、こうした経営資源が次世代に引き継がれる循環を形成していくことが重要であることを示しています。新事業展開については、経営資源に限りのある中小企業においては、今後の成長に向けて、外部リソースの活用も視野に入れながら新事業展開を積極的に実施していくことが重要であること、IoT等の新技術やシェアリングエコノミーといった新たな経済の仕組みについて、活用している企業は少ないものの、売上高増加や業務コスト削減等の効果を感じていることからも、中小企業にとって成長の機会につながることを示しています。

また、ライフサイクルの各ライフステージで共通課題となっている人材に着目し、人材確保に成功している中小企業は、採用の際に自社の経営方針を明確にした上で求める人材を的確に把握し、様々な採用手段を活用していること、職場環境の見直しや業務プロセスの改善を行いながら多様な人材を雇用する、IT化や省力化、外部資源を有効に活用すること等により、人材不足の中でも成長に取り組むことが重要であることを示しています。

2017年版「小規模企業白書」のポイント

第1部では、最近の小規模企業の動向について、中小企業・小規模事業者の景況が緩やかな改善傾向にあるものの、改善の度合いは企業規模や組織形態などによって異なることに加えて、設備投資や売上高の伸び悩みといった課題に直面していることを明らかにした上で、中小企業・小規模事業者のライフサイクルと生産性及び中小企業・小規模事業者の雇用環境と人手不足の現状について分析を行っています。

第2部では、小規模事業者のライフサイクルに着目し、起業・創業、事業の承継及び売上拡大に向けた取組について分析を行っています。起業・創業については、起業前の起業希望者・起業準備者は性別や年齢等によって様々な課題を抱えており、また起業後についても、各成長段階において適切な支援施策等を利用することが重要であることを示しています。事業の承継については、経営者が事業承継の準備に着手する上では、周囲からの働きかけが重要であること、事業の承継や事業の譲渡・売却・統合(M&A)の検討に当たっては課題が多く、対策・準備が進んでいないため、専門家と連携しながら多様な課題に対応できる支援体制の構築が必要であること、小規模事業者の中でも廃業を選択しようとする経営者は個人事業者が多く、また自社の事業や資産を他社に譲りたいと考えている者もいるため、こうした経営資源が次世代に引き継がれる循環を形成していくことが重要であることを示しています。売上拡大に向けた取組については、小規模事業者の中には、顧客ニーズや自社の強みを把握し、PR活動を行いながら、新市場開拓や新商品開発に取り組むことで売上拡大につなげている事業者もいること、小規模事業者ならではの柔軟性を活かし、女性やシニア等の多様な人材を活用する、また内部の経営資源にこだわらずアウトソーシングにより外部の経営資源を活用すること等により、持続可能な発展を遂げ、成長につなげていくことが重要であることを示しています。

各白書の詳細について

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